27.物語を宿すこと――使命感

幸せだけれど、どこか虚しさと不安を感じている――ここ数か月はそんな状態です。

仕事は順調で激務というわけでもなく、ワークライフバランスも取れています。
出世して仕事にもそれなりのやりがいは感じています。
しかし一方で心底打ち込める仕事でもないとも感じています。
これ以上出世したい願望はほとんどありません。

今関心のあることは環境問題です。
消費社会への疑問を持っています。
自分の仕事も環境を汚す一端となっています。
しかし、ほとんどの仕事は環境を汚していると思います。
消費しないと生産しないと経済は回りません。
しかし十分豊かだから地球を傷付けてまで経済を回す必要はないという考えに最近行き着きました。
元々物欲は強くなく脱資本主事的な記事や書籍を読むにつれその考えは強くなりました。
最低限の生活ができればそれで良いのではないかと。
しかし人間の欲望は留まることを知りません。
欲望をなくしたら生きる活力がなくなるのでしょう。
以前には成長したい、仕事で成果を上げたいという欲は持っていましたが、ある程度は達成したので満足感を持てるようになりました。もちろん上を見れば私なんぞは全然ですが、自分の中では満足しています。 今は自分が欲望をなくして生きる活力を失っている状態に陥っているのかもしれません。

この虚しさを打破するためには、自分の中に物語を宿すことが必要だと考えました。

世の中にはフィクション・ノンフィクション問わず幾多の物語があります。
それらの登場人物に心酔します。憧れます。
物語は生きる活力をもたらしてくれます。

多くの物語には分かりやすい目的や使命があります。
苦境やハンディキャップを乗り越えるまでの挫折や葛藤があり、それらを乗り越えた後の達成感に感動を覚えます。

しかし、私のような凡人の人生にはわかりやすい目的や使命はありません。

ただ生きる――それが人生の目的なのでしょうか。
しかし幸いなことに(少なくとも私は)ここ日本ではただ生きることであれば多くを望まなければそれほど困難ではないです。
ただ生きるだけじゃなく美味しいものを食べたり欲しい物も比較的簡単に手に入れられます。

家族を持つ身としては家族のために頑張ろうというモチベーションは持っています。 しかし、家族のために仕事を死に物狂いで頑張ろうとまでは思えません。 仕事を頑張る=家族のためとはなりません。 現状は幸いなことに経済的には困っておらず仕事を頑張ってそこまで収入を上げる必要性もあまりないです。

最近は漫画をよく読むようになりました。
漫画の登場人物たちはどうしてあんなに魅力的かというと目的のためへの執着心、使命感の高さ、仲間を想う利他精神、etcを持っているからだと思います。

虚しさから脱却するために自分の中に(漫画のような)物語を宿すことが必要だと思うようになりました。 私は漫画の登場人物のような使命感の高い人に憧れています。
なので物語を宿すとは使命感を持つことだと無理やり考えました。

自分の使命とは何か――それを毎日考えていますが、答えは出ていません。