21.ファン心理

私は好きな異性が好きな音楽を好きになったり、尊敬する人が好きな作家の本を読んだりする傾向があります。 私は小説をよく読むのですが、同じ作家の作品を追って読む傾向があります。また、その作家が影響を受けた作家の小説を読む傾向もあります。 作品の内容はもちろん重要ですが、その作品を生み出した作家の人間性みたいなものにも興味を惹かれるからです。

作品には一定のクオリティは必要ですが、私にとって「誰が作った、影響を受けた」という部分が感情移入できるかどうかの大きな要因になります。 私にとって感情移入できるかどうかという部分はとても重要です。(感情移入できるかどうかは作家に対してもであり作品の登場人物に対してでもあります) だから、例えばあまり興味のなかったミュージシャンでも好きな異性や尊敬する人が好きだと「あの人が好きだから」という理由で感情移入して好きになる傾向があります。

こういう傾向になるのはファン心理というのでしょうか。 ファンになりその人に夢中になればなるほどその人に心酔していきます。 盲目的にその人に心酔するのは、自分の頭でものを考えなくて良いから楽でもあり心地良くもあるのだと思います。 熱狂的なファンはこういう状態になっているのだと思います。

これを意図時にコントロールしているのが洗脳になるのだと思います。 どんなに好きな人・尊敬する人の考えであっても自分で考えて批判する精神も必要と思います。

ただ軽い洗脳であれば悪くないとも考えます。 誰しも親や先生など他人に影響を受けていると思います。これは洗脳とは呼ばないと思いますが、程度の違いだけで意味としては同じになると考えます。 極端な言い方をすると洗脳されていない状態は全てのことを自分で考えて決断する状態になると思います。

この複雑で不条理な世の中のこと全てを自分の頭で考えるのはかなりしんどいと思います。 だから尊敬する人や好きな人の考えを追随するのは楽であり、それが間違っていたとしても、心から尊敬する人、好きな人の考えだから諦めがつく心理もあると思います。 (これは洗脳とは言わず信頼というべきと思いますが)

心から尊敬・信頼できる人、好きな人に出会えるかどうかが人生を良くする大きな要因でもあると考えるようになりました。 そして自分が他人から尊敬・信頼されると自分の存在意義を強く感じ、今の言葉でいうところの承認欲求を満たされるのだと思います。 (承認欲求については別の機会で書いてみたいと思います)